サマルカンドとその周辺地域の紙

 中国からイスラーム世界へと初めに製紙が伝わったのはサマルカンドと言われる。その後、都市の盛衰に従ってブハラ、コ―カンドと主要な生産地は移り変わった。現在サマルカンドのコニギルにはメロス工房という1軒の紙漉き工房がある。これは途絶えていた紙漉きを、1998年にユネスコと日本の独立行政法人国際協力機構(JICA)の資金援助によって復活させたものである。

メロス工房

 かつてサマルカンドではザラフシャン川沿いに多くの水車小屋があり、水車の動力によって原料を叩解していた。

水力で紙の原料を叩解している
メロス工房の紙と紙製品

  ブハラもサマルカンド同様、中央アジアにおいて政治・文化の中心的役割を果たした古代都市の1つであり、サマルカンドに次いで製紙が行われたといわれる。 2019年2月にウズベキスタン現地調査を行い、ブハラ在住のミニアチューラーであり紙の制作も行っているDavron Toshev氏の工房を見学することができた。彼の工房では2日間交代しながら木の棒を使って人力による叩解を行っていた。

Davron氏の工房における原料の叩解

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