截金について

 金彩の持つ永久に光輝く普遍的な価値は古今東西、宗教や王侯貴族など時の権力者と結びつき、その装飾は最高のあるいは特別なものとして重用されてきた。截金による金彩もその1つといえる。截金の最も古い遺例はエジプトで出土した紀元前250~300年頃に作られたガラス器に見ることができる。日本へは6世紀に仏教とともに伝わり、仏像仏画の装飾として発展した 。 絵画や工芸において金箔を押した上に絵を描く、または細かい金箔を散らす(砂子)、金泥書きといった金彩表現は世界でも多く見られる。これに対して截金のように金箔で模様を描き出す表現の作例は極端に少ない。日本独特の技術とされていた截金だが、この数年でヨーロッパの美術館で新たな作例が確認される等、研究が進展している 。

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