中国の伝統的な手漉き紙ー富陽竹紙

清光绪の時期、(1875年―1908年)「富陽県志」で 「邑人率造纸为业,老少勤做,昼夜不休、富阳竹纸一项每年约可博六七十万金。」(富陽では、紙漉きがとても盛んである。老若男女不眠不休で紙を漉き続けている。富陽竹紙の仕事で、毎年約60万や70万銀(お金の単位)ぐらいの収入をもらえる)「注6」。この記録をから見ると、富陽は伝統的な竹紙産地として、多くの紙工場があったと推察される。しかし、近代化の影響を受けて、多くの工場が閉鎖されてしまった。特に、伝統的な製紙工程では大量水と石灰を使う必要がある。地方政府は河川の水質保護のため、紙の生産を制限している。また、富陽は中国経済の中心地域の1つであり、多くの人が紙漉きより高所得を得られる仕事を選択した経緯がある。 現在、大同村の逸(い)古(こう)斎(さい)という竹紙の工房は、これまでの伝統的製紙方法を復元して守っている。紙の原料は孟宗竹と苦竹であり、古文書を修復するための紙を漉いている。原料の選択は非常に厳しく、小満前後(二十四節気の第8、通常旧暦4月内)、今年生えたばかりの若竹を採って処理する。紙になるまでに72手順、10ヶ月の時間がかかる。特に、原料に人の尿を入れて発酵させることは、富阳の竹紙製作でしか見られない技法である。それにより、千年以上の保存性をもった、滑らかな書き味の紙ができるのだ。また、ねりを入れずに、紙を漉くことも富陽竹紙の特徴である。

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