イスラームの写本絵画
イスラームとはアラビア語で平和、服従などの意味を持ち宗教的には「神への服従を意味する。イスラーム教は7世紀初頭アラビア半島で予言者ムハンマド(570頃~632年)が創始した宗教であるが、その教えは社会生活全ての規範となり、美術にも大きく影響した。
イスラーム美術には丸彫りの彫像はない。これは宗教的に偶像崇拝が禁止されているためであるが、絵画やレリーフにおける人物表現は許容された。また絵画は写本の挿絵として発達した。写本とは英語のマニュスクリプト(manuscript)であり、印刷ではなく手で書き写された「手稿本」をさす。手稿本の著者と筆者が同じ場合は自筆本(autograph)という。